令和3年9月定例会(第3回)9/8 澤田新一議員 個別質問(抜粋)

令和3年9月定例会(第3回)9/8
澤田新一議員 個別質問(抜粋)

 

◆澤田新一議員
皆さんこんにちは。(中略)市民クラブの澤田新一でございます。
(中略)早速ではございますが、議長のお許しを頂き、通告に従いまして大きく3つの項目の質問をさせていただきます。

まず1つ目は公共施設について、2つ目は空き家対策の推進について、3つ目は生産緑地の2022年問題についての質問をさせていただきます。

■公共施設について

1.八千代市児童発達支援センター・すてっぷ21大和田複合施設整備について

◆澤田新一議員
それではまず、公共施設についてですが、初めに、八千代市児童発達支援センター・すてっぷ21大和田複合施設整備についての質問をさせていただきます。
本計画は、私の地元、大和田新田にあります旧千葉県教職員住宅跡地に、児童発達支援センターとすてっぷ21大和田とを合わせて、複合施設として整備を進める計画と認識しております。
両施設は建設から50年以上が経過し、市の公共施設の中で最も古く、老朽化が進み、耐震性がない施設と言われております。施設の利用者一人一人の安全を確保するためにも、確実に整備を進めていただく必要があると考えます。
そこで、今現在の施設整備の進捗状況はどのようになっているのかお伺いいたします。

◎糟谷龍郎健康福祉部長
児童発達支援センター等の施設整備につきましては、昨年度より基本設計等を実施してまいりましたが、今月末には完了する予定でございます。旧千葉県教職員住宅の解体工事につきましては、本年7月より着工しており、来年の4月末に完了する予定となってございます。
また、これまで施設整備等に対する御意見や御要望を可能な限り設計等に反映させることを目的といたしまして、住民説明会などを実施してまいりました。
詳細を申し上げますと、令和2年10月に近隣住民の方へ進捗状況とスケジュールについての文書配付による周知を行ったほか、令和3年2月には現在の進捗状況及び旧千葉県教職員住宅解体工事について、6月には基本設計の概要について、7月には解体工事の概要について、住民説明会を計3回開催いたしたところでございます。

◆澤田新一議員
旧教職員住宅は建物も古く、無人の状態で長期間放置されてきたわけですよね。廃墟のような状況が長く続きまして、防犯面や衛生面からも近隣住民の方々は大きな不安があったかと思います。
そのような中で、解体工事が予定どおり着工されたということは、近隣住民の方々にとっては、防犯面や衛生面の不安はなくなる一方で、あれだけの建物ですから、しかも建築物の一部にアスベストを含有しているということですので、新たにいろいろな不安が出てくるのではないでしょうか。
そこで、開催された住民説明会では、住民の方からどのような質問や御要望があったのかお伺いします。また、説明会に参加できなかった住民に対してはどのように説明会の内容を周知したのか、併せてお伺いいたします。

◎糟谷龍郎健康福祉部長
住民説明会の中であった主な質疑といたしましては、アスベストに関する事項、日陰の影響に関する事項、隣接住宅との境界に関する事項、整備予定地の決定に関する事項、工事用仮囲いの強度に関する事項、害虫対策に関する事項、騒音・振動対策に関する事項、工事に伴う補償に関する事項がございました。
次に、主な要望といたしましては、隣接自治会側から、東京女子医科大学八千代医療センターに抜ける歩行者通路に関する事項、障害を持つ利用者に配慮した設計に関する事項がございました。
なお、説明会に参加されなかった方への周知につきましては、住民説明会の概要、配付資料や頂いた御質問等につきまして、市ホームページへの掲載による公表をさせていただいたところでございます。

◆澤田新一議員
住民説明会の中で、多岐にわたる質問項目があったかと思います。その中に騒音・振動対策に関する質問がありましたが、今現在、私の自宅の前でもマンション工事が行われておりまして、毎日のように大型の車両が出入りしております。騒音・振動が多数発生している状況でございますが、今の時期、窓を開けて生活することが増えております。ましてや今、解体工事が行われているということで、粉じん等も発生している状況かと思いますので、細心の注意を払いながら工事を進めていただければというふうに思います。
また、新たな公共施設ができることになりますので、例えばですが、有事の際には施設を開放するなど、関係自治会や近隣住民の方々の御要望もしっかりと受け止めていただくようお願いいたしたいというふうに思います。
また、地域の皆様に受け入れられる施設にするためにも、引き続き近隣住民の方々には親切に、なおかつ丁寧に説明を十分にしていただいて、御理解・御協力を得ていただきながら進めていただければと思います。
それでは、最後に令和4年度の予算措置を含めた今後のスケジュールについてお伺いいたします。

◎糟谷龍郎健康福祉部長
今後のスケジュールにつきましては、新施設の設計業務が今月末に完了する予定となっておりますことから、新施設建設工事に係る令和4年度の予算措置につきまして準備を進めてまいります。
また、令和4年度には新施設の建設工事に着手し、令和5年度中の開所を目指し、計画的に事業を推進してまいりたいと考えております。

◆澤田新一議員
この児童発達支援センター等施設整備については、当初の計画よりも大分遅れが出ているかと思います。これ以上遅れが出ないように、しっかりと予算措置に取り組んでいただき、前に進めていただくよう強く要望し、次の質問に移ります。

■公共施設について

2.阿蘇米本学園、校舎内外の改修工事の概要について

◆澤田新一議員
それでは次に、義務教育学校阿蘇米本学園についてですが、来年の4月開校予定だと認識しております。代表質問の中でも、義務教育学校設立までの経緯や教育方針等々、いろいろな議論があったかと思います。
本市初の義務教育学校を開校するに当たり、あと半年間で様々な問題を解決し、決定していかなければならない状況だと思います。奨励服の問題や体操服、通学路や通学の問題等々、まだまだ山積していることと思います。
そこで、質問させていただきますが、児童・生徒が快適に学校生活を送る上で大切な、校舎内外の改修工事の概要と進捗状況はどのようになっているのかお伺いいたします。

◎小林伸夫教育長
義務教育学校として使用予定である現在の阿蘇中学校の校舎等の改修の進捗状況についてお答えいたします。
まず、西側の校舎のトイレを乾式化するための床と壁のタイル及び和式便器の撤去が終了しています。この工事は大きな騒音と振動が発生するため、夏季休業日に終える必要がございました。このほかに、設置台数が21台増加するエアコンに対応するためのガス管の交換が終了しております。
一部終了したものといたしましては、低学年が使用する教室への可動式黒板の設置、廊下の床の補修、階段の安全対策として、手すり、滑り止め及び転落防止パネルの設置、動線の目印となる階段の壁の塗装などでございます。
これから予定しているものといたしましては、浄化槽設備の更新、1学年から6学年までの教室へのランドセルロッカーの据付け並びに扉及び床の交換または補修、低学年児童用遊具の設置、保健室の増設、給食の配膳のための改修などでございます。
校舎等の改修は、阿蘇中学校の生徒と教職員が使用している中での施工でございますので、安全に、かつ学校生活への影響をできるだけ低減しながら、4月の開校に向けて進めてまいります。

◆澤田新一議員
今の御答弁によりますと、室内の改修工事は順調に進んでいることが確認できましたが、まだまだ未改修・未整備の箇所も多数存在することかと思います。児童・生徒が快適に学校生活を過ごせるよう、着実に工事を進めていただければというふうに思います。
また、同校の駐輪場跡地には、新たに学童保育所の建設工事も始まっていることと思います。近隣の住民の方への配慮も怠ることのないよう、十分注意していただければと思います。
ただ、先ほどの御答弁の中には、校舎の外壁とかの塗装工事の件は出ておりませんでした。9月2日の新聞報道では、茂原市の小中一貫校の記事が掲載されておりました。本市初の義務教育学校ですので、茂原市同様、マスコミの取材や他市からの視察等が必ずあるかと思います。
その際に、築50年近い建物の外壁塗装工事が行われていない状況では、本市としてはどうなんでしょうか。恥ずかしくないようにというふうに思いますので、予算の関係もあり、工期の関係もあるかと思いますが、4月の開校時には間に合わないものと推察いたします。ぜひとも早急に予算確保に努めていただき、外壁塗装工事に取り組んでいただくとともに、少しでもきれいな状況で児童・生徒、また先生方が快適に過ごせる学校空間をつくっていただくよう強く要望いたします。

■公共施設について

3.廃校予定の3校の今後の利活用の方向性について

◆澤田新一議員
それでは次に、義務教育学校が開校することにより、来年4月には、阿蘇小学校、米本小学校、米本南小学校が廃校になるかと思います。教育委員会のホームページを確認し、設立準備委員会の保護者地域連携部会の議事録も拝見させていただきました。3校とも共通した跡地活用方針案として、体育館を避難所として利用したいとか、多目的広場として利用したいなどの意見がありました。
そこで、廃校予定の3校の今後の利活用の方向性について、お伺いいたします。

◎出竹孝之財務部長
阿蘇小学校、米本小学校及び米本南小学校の用途を廃止した後の利活用につきましては、本年5月からPTAや自治会の役員等で構成されます阿蘇・米本地域義務教育学校設立準備委員会の保護者地域連携部会において、利活用案に関する御意見を伺うとともに、庁内におきましても一時的な利用を含めた利活用の意向などを把握するための調査を実施しております。
また、6月からは、土地・建物の利活用に関し事業アイデアや市場性の有無などを把握し、広く検討を行うため、サウンディング型市場調査を実施しているところでございます。
今後、サウンディング型市場調査の結果などを保護者地域連携部会の皆様に報告いたしまして、地域の皆様の御意見を伺いながら3校の利活用の検討を進めてまいりたいと考えております。

◆澤田新一議員
各学校とも地域に根差した学校であったはずです。卒業生にしてみれば、思い出のある学びの場であったはずですので、その場所を利活用するのですから、今の答弁にもありましたとおり、地域の皆様の御意見を十分反映する形で利活用を検討していただきたいというふうに思います。
また、これは例えばなんですけれども、米本小学校は、先般国により防災道の駅に指定された道の駅やちよや農業交流センターにも近いですから、校舎自体を宿泊できる施設に改修し、平時は宿泊施設として利用して、有事の際は避難所として利用できるようにする等の利活用もあるのではないでしょうか。
校舎につきましては、先ほどの旧教職員住宅と同じような、長期間放置して廃墟となるようなことがないよう、今後の維持管理をしっかりとお願いするとともに、各地域に合った利活用の方法を検討していただきたいというふうに思います。

■公共施設について

4.学校給食センター東八千代調理場について

◆澤田新一議員
それでは次に、現在もえぎ野地区に保品近隣公園がオープンし、その近隣には大規模な物流倉庫の建設工事が始まっているところでございますが、その地区に建設予定の学校給食センター東八千代調理場の今現在の進捗状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。

◎小林伸夫教育長
(仮称)八千代市学校給食センター東八千代調理場の現在の進捗状況でございますが、本年1月から開始した設計業務が完了し、8月から工事に着手しております。
今後につきましては、令和4年6月末に竣工し、7月、8月に開業準備として調理リハーサル等を行い、令和4年9月から給食の提供開始の予定となっております。

◆澤田新一議員
来年9月からの給食の提供開始ということですので、義務教育学校阿蘇米本学園の開校時には間に合わないということと、それまでの間は村上調理場での給食を提供することと理解いたしました。順調に進んでいるようですので、遅れることのないよう進めていただければというふうに思います。
それでは、次の質問に移ります。

■空き家対策について

◆澤田新一議員
空き家対策の推進についてお伺いいたします。昨年の3月議会でも私、質問させていただきましたが、平成31年3月末時点で空き家の件数は676戸、令和2年1月末時点で654戸と、着実に空き家の件数は減少しており、令和元年度は53件の空き家を解消できたとの御答弁を当時頂いておりましたが、現時点での空き家の状況と、その対応策はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
空き家数は令和3年3月末時点で593戸を把握しており、年間を通して市内の空き家等の状況を確認するとともに、管理不全な空き家等については、所有者等に対して適切な管理を促しております。
令和2年度の対応状況といたしましては、苦情や相談等を受理した件数、延べ183件、職員による現地調査の回数延べ470回、このうち、管理が不十分な空き家の所有者に対して、適切な管理を促す通知を延べ168件発送しております。

◆澤田新一議員
昨年1月末と本年3月末を比較しても、61件の空き家が解消していることが分かりました。職員の皆さんの努力により、一定の改善が認められますが、引き続き空き家所有者に対する啓発活動や、管理不全な空き家の発生予防に努めていただければと思いますが、相変わらず空き家等に関する苦情・相談が183件もあるとのことですが、その苦情の内容といったものはどういったものが多いのでしょうか。

◎鈴木智久都市整備部長
苦情の内訳といたしましては、延べ苦情件数183件のうち、草木の繁茂に関する苦情が約4割と最も多く、次いで住宅の部分的な損傷となっております。

◆澤田新一議員
苦情の4割が草木の繁茂ということなんですが、空き家の近隣住民の方々にとっては、非常にこれは迷惑なことなんですよね。枝が越境すると、今の現行法上では勝手に切れないということになっておりますので、しかも今の時期、草木が伸びて隣地に枝やつるが越境してきます。蚊や害虫も多く発生してきますので、引き続き、空き家所有者に対して適切な管理を促すとともに、関連団体等を紹介するなどの対応策を強化して改善していただくよう要望いたします。
また、住宅の部分的な損傷ということですが、台風や強風によって物体が飛来してくるということがあるかと思います。一昨年の台風のときなんですが、私の地元の大和田新田にある空き家、現在は特定空家に指定されているというふうに認識しておりますが、その建物が強風によってトタン屋根とか、雨戸が吹き飛ばされて、近隣住民に対して非常に危険な状況を招いた上、周辺に瓦礫が散乱してしまったんです。
そのような状況で、近隣住民の方々が協力し、最後はその瓦礫の後片づけをしたという事例もありますので、早急に対応策を講じていただくよう強く要望いたします。
それでは次に、令和2年度の空き家対策の取組をお伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
令和2年度の取組といたしましては、法令等に基づく八千代市空家等対策協議会を設置し、本市の空き家等対策を総合的に実施していくための八千代市空家等対策計画の策定に着手し、令和3年3月に策定を完了したところでございます。
今後は、この計画に基づき、空き家等対策を総合的かつ計画的に推進してまいります。

◆澤田新一議員
平成26年3月に、八千代市空家等の適切な管理に関する条例を制定して以来7年かかりましたが、やっとここまで来ましたという感じです。先ほど事例を紹介したとおり、市内においても公権力を行使して、空き家の行政代執行をしなければならない建物が存在しております。また、所有者不明の空き地、空き家の問題も浮上してきている状況ですので、ぜひともスピード感を持って取り組んでいただくよう要望いたします。
それでは次に、空家等対策計画の内容についてお伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
空家等対策計画の策定に当たっては、現在、本市の一戸建ての住宅に対する空き家の割合は、県内でも比較的低い状況であるものの、京成本線沿線を中心に古い建築物が散見され、今後それらの建築物が空き家となり数が増えていくおそれがあること、また、特定空家等となるおそれのある空き家が存在することなどから、現状における課題を整理いたしました。
これら課題に対する基本方針として、空き家等の発生予防・抑制、空き家等の活用・市場への流通促進、管理不全空き家等の解消の3点を位置づけ、関連する団体と連携して対策を進めていくこととしております。
また、空き家等の分布状況などから、八千代台、大和田、勝田台、大和田新田、高津地区を重点地区に位置づけ、対策を優先的に講じていくこととしております。

◆澤田新一議員
それでは次に、空家等対策計画における、実効性のある具体的な対策としてはどういったものがあるのかお伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
具体的な対策といたしまして、空き家等の発生予防・抑制については、啓発冊子を活用した啓発事業の実施、空き家等の活用・流通促進については、空き家バンク及び空き家等の改修費補助制度の創設検討、管理不全空き家等の解消については、リーフレット等を用いた空き家等所有者への意識啓発の実施などを進めてまいります。
また、特定空家等への対応といたしましては、行政代執行も想定した措置方針の作成及び措置方針に基づく指導等を実施してまいります。
なお、これらの取組を推進していくための財源確保として、国の空き家対策総合支援事業補助金を活用するため、空家対策総合実施計画を策定し、計画的に対策を推進してまいりたいと考えております。

◆澤田新一議員
今の御答弁をお伺いしまして、空き家等の対策が段階的に進んでいることがよく分かりました。適切な管理が行われていない空き家等は、周辺環境を悪化させるだけではなく、地域の魅力低下にもつながるものだと思います。
これから本市においても人口減少が予想される中で、空き家等の対策は単なる地域問題だけではなくて、未利用の家が新しい家に建て替わり、新築となったり、住民が増え、住宅以外の利便施設、例えば店舗などができることによって、地域の生活環境が向上したりすることがあります。
市長が公約で掲げる京成線沿線については、開発から一定期間がたち、老朽化した建物も散見されます。単なる空き家対策としてではなく、移住・定住と結びつけた施策の検討や地域の活性化を図るための利活用、また、まちづくりとの連携等、地域の活性化及び税収の確保としても、横断的な観点からその事業推進が求められるのではないでしょうか。
そういった広い視点からもしっかりと財源を確保していただいて、着実に事業を進めていくことが八千代市の未来にもつながるというふうに考えます。ぜひ連携して前に進めていただきたいというふうに思います。
また、9月3日には、本年3月に締結された京成電鉄株式会社との包括連携協定に基づき、空家等対策事業の実施に関する合意書が締結され、その第1弾として、住まいに係るエンディングノートの取組を行うという発表がありました。今後も様々な関連団体と連携し、空き家等の対策を推進していただくよう要望いたします。
それでは、次の質問に移ります。

■生産緑地2022年問題について

◆澤田新一議員
先日の江野澤議員の代表質問にありましたが、生産緑地の2022年問題についてお伺いいたしますが、まず、生産緑地ができた背景といたしましては、生産緑地とは、農業を継続することを条件に、固定資産税、相続税等の税務上のメリットを受けることができる農地のことで、生産緑地法によって1992年、制度ができたものと認識しております。
また、生産緑地法が制定された頃は、人口の増加により一部の都市の都市化が急速に進み、緑地が宅地へと転用されることが増え、急速に市街地の緑地が減少した結果、住環境の悪化や土地の地盤保持、保湿機能を失ったことによる災害などが多発し、重大な社会問題となりました。この問題に歯止めをかけるために制度化されたのが生産緑地法です。
生産緑地制度は、緑地の有する環境機能を考慮し、農林漁業との調整を図りつつ、良好な都市環境を形成していこうという目的で制定された土地制度でしたが、都市化が急速に進み、土地不足と地価上昇が止まらず、生産緑地と宅地化農地等を定めることによって、緑地の環境機能を維持するための農地として保全していくべき土地は保全する生産緑地と、宅地への積極的な転用を進めていくための農地を宅地化農地として、土地の目的を大きく2つに分けることで、都市計画において一定の成果を収めた制度だと認識をしておりますが、そこでお伺いいたします。
特定生産緑地制度の概要についてお伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
生産緑地法を所管する国土交通省では、都市農地の位置づけを宅地化すべきものから都市にあるべきものとし、平成29年5月に生産緑地法の改正を行い、特定生産緑地制度を創設しております。
生産緑地につきましては、指定から30年を経過すると、所有者がいつでも市に対して買取りの申出が行えるようになることで、税制上の特例措置についても5年間の激変緩和措置の後、なくなってしまいます。
特定生産緑地制度は、指定から30年が経過する生産緑地を対象として、引き続き保全することが有効であると認められる場合、所有者等の同意の上、市が当該生産緑地を特定生産緑地として指定することができるものであり、いつでも買取りの申出が行える時期が10年間延期され、税制上の特例措置等につきましても、10年間延長されるものであります。10年経過後は、改めて所有者等の同意を得て、繰り返し10年ごとの延長が可能となります。

◆澤田新一議員
それでは次に、現在の生産緑地の区域、面積、地権者数についてお伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
指定開始時の平成4年度は211地区、合計面積55.34ヘクタール、地権者204人でしたが、令和3年8月末現在では173地区、合計面積46.61ヘクタール、地権者数167人となっております。
そのうち、平成4年指定のものは156地区、合計面積39.62ヘクタール、地権者数143人となっております。

◆澤田新一議員
平成4年に指定された生産緑地がちょうど30年経過する来年をもって指定期間が満了して、地権者は特定生産緑地の指定に同意しない限り、税制上の優遇が段階的になくなることを確認いたしました。
また、答弁にもありましたけれども、平成4年に指定された生産緑地が大半を占めておりますけれども、指定年度が違うものについては、30年経過時に同じような取扱いをすることとなるかと思いますので、地権者の方が不利益とならないよう、担当課としてしっかりと経過管理をしていただければと思います。
それでは次に、現在の特定生産緑地制度の指定の同意の件数についてお伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
今回、特定生産緑地の指定対象となっている平成4年指定の生産緑地の現在の面積は39.62ヘクタールとなっており、そのうち7割弱に当たる約25.81ヘクタール、92名の所有者から同意を得ております。また、約1割に当たる3.26ヘクタールは、既に不同意等の書類を提出していただいております。
残りの約2割については、書類の提出期限を今年の8月末としておりましたが、相続の発生等で書類が提出できない方などもおりますので、そういった方には提出期限を一定期間延長し、提出していただけるよう案内してまいります。

◆澤田新一議員
いろいろな事情によって先月末までに書類の提出ができていない方もいらっしゃるということですので、柔軟な対応をしていただき、地権者の方に寄り添うような対応をしていただければというふうに思います。
それでは最後になりますけれども、生産緑地の今後の方向性として、本市としてはどう対応していくのかお伺いいたします。

◎鈴木智久都市整備部長
市といたしましては、生産緑地は市街地における貴重な緑を保全し、都市農業の振興を図る上で必要と考えておりますので、特定生産緑地制度を活用し、引き続き緑地を保全していくことは有効であるものと考えております。
今後は、特定生産緑地指定に関する同意書等が未提出の地権者につきましても、制度の趣旨について丁寧に説明を行い、市街化区域の貴重な緑地の保全につながるよう努めてまいります。

◆澤田新一議員
来年度、本市においては大半の生産緑地の指定が解除され、開発等によって宅地化が急速に進んでいくものと危惧しておりましたが、先ほどの御答弁にもありましたが、約1割の不同意とのことで少し安心しました。
それでも3.26ヘクタールというと、3万2,600平米の農地が宅地化されることが予想されます。冒頭でも申し上げましたが、緑地が宅地へと転用され、市街地の緑地が減少した結果、住環境の悪化や土地の地盤保持、保湿機能を失うことによって、災害などが発生することもあります。緑地を保全することによって、災害の抑制や災害時の避難場所として利用することも可能となりますので、緑地の環境機能を維持するためにも、生産緑地制度、特定生産緑地制度をうまく活用し、緑地の保全に努めていただくよう要望し、私の質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

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